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コンピュータ研究


by papasone
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抗ウイルス布、新型抗体、日本の技術が世界を救うか

2005年12月21日、ダイワボウ、用瀬電機、鳥取大学の三者は抗ウイルス不織布を共同開発したと発表した。ドロマイトという抗ウイルス作用が知られる天然鉱物から抗ウイルス材を開発、その微粒子を繊維表面に接着させることに成功した。この新素材のウイルス殺菌力は極めて高く、この布に鳥インフルエンザウイルスの培養液を接種したところ、わずか1分間でウイルスの数が99.99%減少したという。抗ウイルス材の有効期間は約30日あり、マスク等に使うことで、感染の予防が期待される。

同様の抗ウイルス素材は日清紡と帯広畜産大学も開発、2005年12月14日に発表した。GAIACOT(ガイアコット)と名づけられたゼオライトと綿の複合素材で、GAIACOTと接触した鳥インフルエンザはウイルスの外套粒子が破壊され、感染力を失う。10分間の接触で99%のウイルスが不活性化したという。ゼオライトはアルミとナトリウムと珪素からなる鉱物だ。

こうした抗ウイルス布を感染経路と目される箇所に使用すれば、ウイルスの拡散を抑えることができる。11月まで200円近辺だったダイワボウの株価が12月には600円を超えるなど市場の期待は大きい。

空気清浄機と加湿器の組み合わせもウイルスの増殖を抑える。インフルエンザウイルスは湿度が低く寒い場所でより長く生きる。湿度60%の部屋ではウイルスの生存率は3%以下といわれる。空気清浄機には除菌・殺菌効果を謳う製品が増えており、たとえばシャープの開発したプラズマクラスターイオン空気清浄化技術は鳥インフルエンザウイルスの表面を破壊し、不活性化する。5~15分間の処理により、ウイルスの99%が感染力を失うという。

治療にも希望が見えてきた。キリンビール系のジェミニサイエンス社が開発した抗体は、鳥インフルエンザが属するA型インフルエンザの予防・治療に効果がある。現在はマウスでの実験段階だが、抗体を未投与のマウスを鳥インフルエンザウイルスに感染させると、22日後の生存率は10%だったが、抗体を投与したマウスはすべて生き残った。同社によると実用化は数年後ということだ。

他にも創薬技術研究所がウイルスの増殖を抑制する抗インフルエンザウイルス剤で特許を取得するなど、日本企業の抗インフルエンザウイルス技術への取り組みは裾野が広い。

日本の技術がインフルエンザウイルスに勝利し、人類を救うなんてことがあるかもしれない。
by papasone | 2006-01-31 16:29 | 時事問題